株式会社道楽|三重県三重郡|伊勢擬革紙「MOCHI」・富裕層向けウェルネス体験・伝統工芸リブランディング
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「もったいない」が、静かに消えていく国で
三重県三重郡朝日町。伊勢神宮へと続く参宮街道の記憶が息づくこの地に、株式会社道楽はある。
日本各地の工房では、いま、伝統の灯が静かに消えつつある。数百年をかけて磨かれてきた技が「後継者不足」という一言で語られ、十分に記録されないまま失われようとしている。技術そのものに価値がないからではない。その価値を現代の言葉へ翻訳し、世界へ届け、次の世代へ手渡すための仕組みが、この国にはまだ十分に整っていないのだ。
2009年3月、代表取締役・曽我宏紀氏によって設立された同社は、「日本の精神性と技術を、世界基準の価値へ」を掲げ、埋もれかけた伝統工芸や職人文化の発掘と世界発信に取り組んできた。2025年、同社が手がける伊勢擬革紙フラグメントケース「MOCHI」が、日本の優れた商品・サービスを国内外に発信するプログラム「おもてなしセレクション2025」を受賞。さらには特別賞「サステナブル賞」に選ばれ、日本ならではの魅力にあふれた作品として高く評価された。
340年の技術が宿る、革のような紙。「MOCHI」の誕生
道楽の理念を結晶化した代表作が、伊勢擬革紙フラグメントケース「MOCHI(もち)」だ。
伊勢擬革紙(いせぎかくし)とは、1684年に三重県で生まれた伝統技術である。和紙に独自の加工を施すことで革のような風合いと耐久性を生み出しながら、その素材は植物由来——動物性素材を一切使用しない、現代のサステナブルな価値観とも共鳴する技術だ。江戸期には伊勢参りの土産物として一世を風靡し、1900年のパリ万国博覧会では金賞に輝いた。しかし昭和初期、製法が口伝で伝えられていたこともあり、その技術は一度途絶えてしまう。現在に受け継がれているのは、後世の職人たちが残された現物を手がかりに技法を解き明かし、再興させた成果である。
道楽は、その甦った技術を現代のライフスタイルに合う形へと昇華させた。「MOCHI」はコンパクトなフラグメントケースとして設計され、現代のキャッシュレス生活に最適化されている。使い込むほどに風合いが深まる経年変化も魅力のひとつだ。伊勢神宮への参道で親しまれてきた"餅"文化にちなんだネーミングにも、伝統と現代をつなごうとする道楽の姿勢が表れている。
2025年7月の発売と同時に「おもてなしセレクション2025」受賞・「サステナブル賞」ダブル受賞という評価を得たことは、340年の時を超えた技術が、現代においても世界に届く力を持つことを証明した。

「侘び寂び」を、世界の富裕層が求める体験へ。
「MOCHI」は、あくまでも道楽の事業の一側面にすぎない。同社が中核に据えているのは、日本文化の価値を多角的に世界へ届ける5つの事業だ。
なかでも注目されるのが、富裕層向けウェルネス体験(Transformative Travel)だ。欧米の富裕層がいま求めているのは、高価なモノや有名な観光スポットを巡ることだけではない。価値観が変わり、人生を見つめ直すきっかけとなる「変容体験」だ。道楽は、日本を代表する匠との対話、禅寺での瞑想、武士道の精神に触れる稽古など、深い精神性に根ざした「変容体験」を設計・提供する。
特筆すべきは、和文化体験とウェルネス体験を一つの滞在に融合させている点だ。工房で職人と向き合う時間、禅寺で呼吸を整える時間、地方の自然に身を置く時間——それらは別々のアクティビティではなく、一つの物語として丁寧に設計される。文化に触れることが、心身を整えることへとつながっていく、高付加価値リトリート。これが道楽の描く滞在の姿だ。
その思想を形にしたのが、道楽が主催するプライベートリトリート「DOURAKU JOURNEY」である。たとえば関東版の舞台は、東京から約1時間の鎌倉・葉山。禅寺での座禅、枯山水、茶道、武士道の所作、そして海辺のウェルネスに触れる2泊3日を、参加者の希望や人数に合わせて一組ごとに設計する。観光地を急いで巡る旅ではない。庭の余白、茶の所作、空間に流れる間を感じながら、日本文化の内側へゆっくりと入っていく時間だ。
この3日間は、静・動・統合という一本の弧を描く。初日は鎌倉で日常の速度を落とし、静けさの中に身を置く。二日目は着付け・礼法・歩き方・座り方を通じて武士道の凛とした緊張感を身体で受け取り、その一場面をシネマティックな映像として残す。そして最終日、葉山の海を前に呼吸と姿勢を整えながら、旅で触れた所作と静けさを自分自身の身体へと戻していく。日本文化を「観る」のではなく、自らの内側で「生きる」。その入り口が、ここにある。
これらの体験設計の背骨となっているのが、武士道である。武士道とは、単なる戦いの作法ではない。己を律し、道を極め、他者への礼を尽くす——その精神は、生涯をかけて一つの技を磨き続ける職人の生き方と、深いところで通じ合っている。稽古を通じて武士道の精神に触れた滞在者は、同じまなざしで工房の職人と向き合うことになる。日本文化を「観る」のではなく、自らの内側で「生きる」。そのための入り口。

曽我氏は、道楽が提供する体験について次のように語る
「単なるラグジュアリーではない『意味ある体験』——まだ知られていない地方の自然、和文化、日本人の精神性、ウェルネス、アート、そして地域とのつながりなど、滞在を通じて内面的な充足や意味を感じられる体験を道楽は提供します。」
曽我氏自身が岐阜県の郡上八幡から高山へと地域を巡り、栃木県では枯山水職人・小野氏のアトリエを訪ねて自ら砂紋を描いた。「侘び寂びといった日本独自の美意識を体験できる。そして、それが日本人に宿る精神性だということが理解できる」——実際の土地を歩き、職人と向き合うことで磨かれてきたその感覚が、道楽の体験設計の核心にある。
その小野氏は、国立新美術館で開催された「21世紀アートボーダーレス展」への出展も果たした。道楽が「同志」と呼ぶパートナー職人たちは、すでに世界へつながる舞台で輝き始めている。
「職人が、子どもたちの憧れになる日」を目指して
道楽が目指すのは、技術の商品化にとどまらない。職人と世界のコレクターを直接つなぐプラットフォーム事業では、作品の背景や職人の哲学・技法をストーリーとして映像・写真で伝え、「購入」を「文化との邂逅」へと昇華させる。
伝統工芸のリブランディングでは、後継者不足に直面する工房を発掘し、デザインから海外PR戦略までを一貫して手がけ、「伝統をただ保存するのではなく、その価値を磨き、現代における新たな強みへと変える」形で世界で選ばれる商品へと再生させる。
8K映像・3DスキャンやNFTによるデジタルアーカイブで作品の価値と記憶を未来へ残し、全国の廃校を職人のアトリエ兼文化発信拠点へと再生し、地域活性化と文化継承を両立させる。
この「体験や技を映像として残す」という発想は、リトリートの現場にも通じている。DOURAKU JOURNEYで武士道の一場面をシネマティックな映像として持ち帰る仕組みは、旅の記憶を資産として残すと同時に、職人の技を未来へ記録するアーカイブ事業とも地続きなのだ。
重要なのは、これらの事業が、独立した取り組みとして並んでいるわけではないということだ。埋もれた工房を発掘し、リブランディングによって世界で勝てる商品へ育て、プラットフォームとリトリートを通じて世界の顧客との出会いを生み出す。
そこで生まれた対価と物語は工房へと還り、次の挑戦に向けた原資となる。技と記憶はデジタルアーカイブに刻まれ、廃校を再生した拠点が、次の時代を担う職人を育てる場となる——発掘から発信、収益化、保存、継承までが一つの輪として巡っていく、循環型のプラットフォーム。道楽の事業構造は、この大きな円を描くように設計されている。
一度きりの支援ではなく、価値が地域の中で回り続ける仕組みへ。それは「失われゆく日本の至宝」を、一時的に消費されるコンテンツではなく、未来へ続く資産に変えるということだ。
「株式会社道楽では日本の伝統的な文化を次の世代へつなぐプラットフォームの構築を進めております。職人が輝く職業に。子どもたちが将来なりたい職業として憧れる世界を。道楽は実現します。」
曽我氏のこの言葉は、単なるビジョンではなく、道楽の事業全体を貫く、一つの約束である。

ZIPANG DAOとの共鳴——「もったいない日本」を、世界の宝に
このビジョンと、道楽が追い続ける「失われゆく日本の至宝を、未来へ続く資産へ」という使命は、その根を同じくしている。
伝統工芸を8K映像やNFTで残すデジタルアーカイブ事業は、ZIPANG DAOが活用するWeb3の世界と接続する可能性を秘め、廃校再生の文化発信拠点は地方と世界をつなぐ「場」となり得る。和文化とウェルネスを融合した高付加価値リトリートは、「日本を実際に体験し、その価値を深く理解する外国人ファン」を世界中に生み出す力を持つ。そして、発掘から継承までを一つの円で結ぶ循環型プラットフォームの思想は、価値を一部で独占するのではなく、地域や担い手へと還元していくDAOの精神と、そのまま重なる。
「340年以上続く伊勢の伝統技術を現代に活かし、サステナブルな素材で世界へ。これからも『道楽』は、日本の美とクラフトマンシップをお届けしていきます。」
曽我氏のこの覚悟は、ZIPANG DAOが日本全国に探し求める「同志」の姿、そのものだ。

会社概要
会社名
株式会社道楽
代表取締役
曽我 宏紀
所在地
三重県三重郡朝日町向陽台2-3-17
設立
2009年3月
事業内容
道楽プラットフォーム事業 / 富裕層向けウェルネス体験 / 伝統工芸リブランディング / デジタル資産コンテンツ / 廃校アートスポット事業 / Webマーケティング支援
公式サイト
