お客様の「さんさん」とした笑顔を思い浮かべながら、毎日田んぼと向き合う。福井県坂井市三国町池見で、有限会社さんさん池見の大嶋朋裕さんが守り続けるのは、注文を受けてから精米するという一本筋の通ったこだわりと、地域の田園風景そのものだ。

さんさん池見とは
有限会社さんさん池見は、福井県坂井市を拠点に、米・大麦・大豆などを生産・販売する農業法人だ。平成16年8月に設立され、農業法人として有限会社設立に至った。
社名に込められた「さんさん」とは、お米を食べたときのお客様の笑顔を指す。公式サイトには「お米を食べた時の『さんさん』とした笑顔のために」という言葉が掲げられており、その姿勢が事業全体の軸になっている。
「お米を食べた時の『さんさん』とした笑顔のために」——この一文が、さんさん池見の農業の出発点であり、到達点でもある。
地域の農地を、次の世代へ
さんさん池見の成り立ちは、地域の農業課題と深く結びついている。公式サイトに掲載された沿革によれば、平成15年春に池見区行政委員会が区内農業の意識調査を決め、同年7月に全農家アンケートを実施。回収率90%、委託希望農家率は約80%に達した。採算性の悪化、高齢化、機械の老朽化——そうした切実な声を受け、協議会が組織化を検討・協議し、平成16年の設立へとつながった。
つまり、さんさん池見の出発点は「自分たちだけが儲かる農業」ではなく、地域の農地を守るための合意形成だった。近隣の高齢農家が管理しきれなくなった田んぼを引き受け、池見地区の田んぼのおよそ半分を担う現在の姿は、その延長線上にある。
いま、挑んでいること

さんさん池見が耕す田んぼは、約30ヘクタール。東京ドーム約5個分の広さだ。ここは、コシヒカリ発祥の地として知られる坂井平野の一角であり、九頭竜川の水に育まれた米どころとして名高いエリアでもある。
公式サイトには「長年培った米づくりの経験を活かし、天候に応じて最適なタイミングを見計らいながら稲のお世話をしています」と記されている。5月の苗づくりと田植え、6月の溝切り、7月の畦塗り・草管理、9月の稲刈りと乾燥・精米——田植えから収穫まで約5か月にわたる工程を、3名の社員が担う。稲刈りの時期だけはアルバイトを雇うほどの繁忙期もある。
農法面では、通常よりも少ない農薬散布を実践。「混じりっ気なしの100%ハナエチゼン・コシヒカリ・アキサカリを丹精込めて生産しています」と、公式サイトに自信を持って記されている。
もう一つの核心が、注文を受けてから精米する仕組みだ。基本的に作り置きをせず、注文確認後に精米して発送する。精米の度合いも選べる。お客様からは「ふっくらしておいしい」「精米度合いを選べて嬉しい」「発送が早い」という声が届いている。
育てている品種は、コシヒカリ・ハナエチゼン・あきさかり・いちほまれ・カグラモチの5種類。食べ比べにも対応できるラインナップだ。
産業観光ツアーという新しい扉

さんさん池見は、農業を「見せる」取り組みも行っている。坂井平野の広大な田園風景を舞台にした見学型の産業観光プログラムだ。
内容は、坂井平野の歴史や北前船の話、九頭竜川パイプラインのガイドに始まり、トラクター・田植機・コンバインなどの大型農業機械の見学、VRゴーグルによる運転席体験、乾燥場・精米所の見学とお米の等級クイズまでと幅広い。食育や修学旅行にも対応しており、ガイドを務めるのは大嶋さん本人だ。
このツアーには、もう一つの意味がある。社員用のガイドマニュアルを整え、仲間がお客様に説明する経験を積むことで、農作業への理解を深めていく——家族で営んできた農業から、仲間と育てる農業へという進化の場でもある。
これから描く未来
さんさん池見が目指すのは、地域の飲食店やホテル、一般家庭など、さまざまな食卓にさんさん池見のお米が並ぶことだ。品質と評判に支えられたお米が、もっと多くの人に届く未来を描いている。
大嶋さんにとって一番の励みは、お客様の「おいしい」という声。その喜びを、田んぼを支えるみんなで分かち合いたいと、公式サイトは伝えている。
活動をもっと知る
さんさん池見の米づくりの詳細や産業観光ツアーの申し込みは、公式サイトで案内されている。コシヒカリ・ハナエチゼン・あきさかり・いちほまれ・カグラモチの各品種ページ、精米へのこだわり、お客様の声なども読むことができる。
公式サイト: https://www.sansanikemi.jp/
所在地: 福井県坂井市三国町池見115-1(JR芦原温泉駅から車で約20分)
電話: 0776-82-3345

